2 キャノンボール
「そこで愛が待つゆえに」というフレーズが中村一義の頭の中に浮かび上がったのは、100式のメンバーとの出会いの前であった。「博愛博」というツアーを始める前の閃きだった。そう考えると、あまりにも出来過ぎた話で、過剰なストーリーであると思ってしまいがちだが、そうではない。「愛があるんだ!」という計り知れないパワーを頑に固持し突き進む宣言を声高らかに上げたからこそ、100式のメンバーと出会い、「博愛博」でみんなと出会い、そして中村一義はこのアルバムに辿り着くことが出来た。僕として行けた後に、行った先に待っていたものがこれだ。そして、辿り着いた僕の生く理由は「そこで愛が待つゆえに」だったからこそということ。そんなリアリティ溢れるロマンチックな感情を抱けないのであれば、死ぬように生きていればいいし、抱けるのであれば僕らは往けるのだとということだ。それが僕らが旅に出る理由だと思うのだ。穢れの先へ‥‥ね。うん。目の前に突き出されたリアルよりも、光り輝くリアリティを目指すんだ。それが「愛」ならなおさらだ!
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの『エヴリバディ・イズ・ア・スター』を日々愛し聴き続けた結果生まれ落ちた、星3部作のシングル第1弾。