15 新世界

 中村一義というアーティストが、僕らが、今後、歩むべくであろう道を記した名曲、『新世界』。そう、『金字塔』での『永遠なるもの』は、個:中村一義が現状の世界へ向けて歩むべく道標を記した曲であった。『太陽』での『生きている』は、中村一義が現状の世界を俯瞰した後にも、生き抜くべく意味が僕にはあるんだという決意を記した曲であった。『ERA』の『素晴らしき世界』は、僕らも含む、時代にやられた虹の戦士が歩んできた忌わしくも素晴らしき世界にサヨナラを宣言した曲であった。そして、この、『新世界』は、中村一義を含む、すべての人々の「心」にある光を輝かせて、星を輝かせて新世界に突き進んで行こうという、とてつもないパワーの込められたある意味無鉄砲すぎるほどの高らかな打ち上げ花火でもあるのだ。その打ち上げ花火は、”(マインド・ゲームの終わり、マインド・ベースの世界。)”ということ。モノをなんとか咀嚼して、思考で解釈する。その世界で生きて行くことへの決別。マインド・ゲームの終わり‥‥。ココロを大切に光り輝かせ、それを元に歩み突き進んで行く。その世界で生きて行くことへの宣言。マインド・ベースの世界‥‥。そう、後者が『新世界』だということだ。
 さあ、目に見えるものへの安心に身を委ね、カタチあるものだけで創り上げられてきた僕らの歴史の向こうに行けるか?想像の向こうに向かって行くことに”YES”と言えるか?もう、これ以上、もがいたとしても、涙は消えないんだよ。そして、君の灯りだって消えないんだよ。
 スライ&ザ・ファミリー・ストーンの『エヴリバディ・イズ・ア・スター』を日々愛し聴き続けた結果生まれ落ちた、星3部作のシングル第3弾。『キャノンボール』『セブンスター』という流れの結末である『新世界』。今一度、この『100s』というアルバムを通して挟み込まれたこの3曲の相互性を感じ取って欲しい‥‥。

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